PNFの現状
ここ数年の間にPNFという名前が、あらゆるところで見かけるようになりました。ここインターネットの中でも「PNF」で検索をすると、膨大な量の検索結果が得られます。
検索した中から無作為に抜粋してそのホームページを見てみると、そのほとんどは本来のPNFとは異なった内容のものばかりで、異なった内容で伝えられているようです。特に、PNFという名前に何かを付け加え、スポーツPNF、PNF整体などの混乱を招くような名称もみられます。これだけインターネットを含めテレビや新聞などのメディアが発達していると、何でも正当化されて伝わってしまうことは残念なことです。
現在、日本におけるPNFはどのようになっているでしょうか。冒頭に述べたようにPNFという名称を利用して、本来のPNFとはかけ離れた誤ったPNFを利用し、伝えているものがとても多いのが現状です。PNFは国際的な技法として世界中でその技術が使われていますが、この技術は決して見様見真似で利用できるものではないのです。PNFの技術を正しく修得し利用するためには、国際的(国際PNF協会~IPNFA~)に認められた技術を要したインストラクターの下でPNFの指導を受け、何年もかけて修得していかなければなりません。ですから、誤った知識と技術を用いて障害者への治療に応用したり、スポーツ分野においては、トレーナーやコーチなどが見様見真似のテクニックを応用すると、良くするどころか逆に障害を負わせることにもなりかねないのです。
PNFの技術は、特定の団体や個人の特権として存在するものではありません。身体の障害をもった患者への有効な治療方法として確立した技術で、この治療は誰でもが受けることができる技術です。しかしながら、このPNFの技術を使うには、PNFの歴史をみればわかるとおり、医療の分野(理学療法)で専門の知識と技術をもった有資格者がPNFという技術を修得し、利用するものなのです。ところが、日本の現状を見渡してみると、残念なことにPNFの名称を単に利用したり、見様見真似のPNFで誤った治療や利用をしたり、中には国際的には到底認められそうもない勝手なPNFの団体を作り、インストラクターなる資格を与えたり教授をしているようなところもあります。このPNFの技術を最も必要としている障害を持った方やスポーツ選手などが、誤った治療を受けてしまうことが何より心配であり、そのようなことになれば残念でなりません。
私どもは、実際にPNFの治療を受けた方々及び私自身の体験から、PNFの素晴らしさを実感しました。このPNFの技術が広く皆様に需要されることを望んでいますが、この体験を通じて知ったことは、先にも述べていますが、日本においては誤ったPNFの伝授や営利目的に利用されているケースがなんと多いことでしょうか、一人の患者としてもこの様な状況を見過ごすことができません。以上のようなことから、このホームページにて正しいPNFの活動と技術を少しでも皆様に、お伝えすることができたらと望んでいます