PNFとは

Proprioceptive Neuromuscular Facilitation(固有受容性神経筋促通手技)

生体組織を動かすことにより人体に存在する感覚受容器を刺激し、神経・筋 などの働きを高め、身体機能を向上させる方法。

PNFの「P」:Proprioceptive(Proprioception – 固有受容器)は、「人体に存在する感覚受容器が刺激を受ける」ことを意味する。人体の至るところに存在する様々な感覚受容器、例えば、体表面より刺激を受ける外受容器(皮膚などに分布し、触覚・圧覚などに関係する)、筋(筋紡錘)、腱(腱紡錘)、関節、前庭器官などに存在して、空間での体位や姿勢・運動のコントロールに関係する固有受容器、体内器官などから刺激を受ける内受容器、そして、視覚・聴覚などから刺激を受ける特殊感覚受容器などがある。このように、様々な感覚受容器で刺激を受けることである。

「N」:Neuromuscularは、神経と筋に関与すること。

「F」:Facilitation(促通)とは、伝達されるインパルスの通過によって神経組織(細胞)の中に効果が生じ、動作または機能を遂行することが容易になること。つまり、刺激に対して反応しやすくなることである。

PNFは、本来、脳血管障害や脳性麻痺などによる神経障害、筋力低下、協調不全、関節可動域制限などの改善、または日常生活に必要な運動機能を獲得、向上させるために、熟練したセラピストによって、正しい刺激と操作を加え、正常な生体反応を引き出す治療法である。

さらに、全体の筋バランス、柔軟性、敏捷性、持久力、反応時間、運動能力の低下など運動機能の改善と向上に応用でき、また高度なスポーツ技術の獲得、向上のためのSkill(巧緻性)にも応用できることから一般臨床だけでなく、スポーツの分野でも幅広く用いられるようになった。